2012年7月9日月曜日

新型うつ病について


「新型うつ病」の話題がTwitterのTLに目立っている。
今回の震源地はAERAなのか。このあたり、追いかけるのも面倒になってきたなぁ。この前買った「東洋経済」も、結局目を通していないというに……


「神経症」という診断名が国際診断基準で使われなくなったところも、「新型うつ」の跳梁跋扈には寄与しているのかも。


まじめに診断をつけようとしている人が、「神経症」とか「抑うつ神経症」に落とし込んでいた病態の人の「診断名」に迷った挙句の『うつ病』がこじれてきたんだよなぁ。


真面目な診断者による、あえてつけた「うつ病」に対して、周囲が「古典的なうつ病のイメージ」で解釈。結局それが、一人歩き、暴走をして、「新型うつ病」として(世間的に)確立したという感じ。


だれか、デマというか流言飛語のメカニズムの視点で、もう少し解釈してくれないだろうか。



このあたり、もう論じている人一杯なのかしらん?

2012年7月4日水曜日

精神病院からの転院依頼


少し離れたところにある地域の精神病院から、長期入院している統合失調症の患者さんの転院依頼。
ファックスで送られてきた情報提供書をみると、転院の理由は、こっちの病院のほうが、家族が通うには便利だからと。


こういう依頼が、今後も増えていくんだろうな。やれやれ。


近くの精神病院に通院or入院していると、周囲の目が気になるからという理由で、あえて遠隔地の病院で治療。そのまま、長期入院化。


長期入院20年以上くらいの患者さんの場合。
入院する当時は、「家では無理だから、病院でずっと面倒をみます」という方針でも、わりと許される状況だった。
家族が、その言葉を信じ続けているのは、やむを得ないところある。でも、今この時代に、その言葉を信じ続けていられると、本当に困ったことになる。


こういった症例は、ぜんぜん珍しいものじゃない。
今までもそうだったけれど、これからしばらくは、誰もが、この手の患者さんの処遇で悩んでいく。


向こう三軒両隣どころか、その界隈が全員顔見知りで、玄関に鍵をかける習慣が殆ど無いような地域。
そういったところで、熱心な地域医療をしている精神病院であれば、地域で患者さんを引き受ける方向に舵を切っていける勝算が有ると思う。
でも、そんな地域はどれくらい存在しているんだろうか?



厚労省は、精神科の入院1年以内とするつもりだが、どこまで上手くやれるやら。