認知症かどうかの診察。自分自身で、MMSEをやったりすると、時には「点数的には認知症とは言えないのですが、もしかしたらアルツハイマーを考える可能性があるかも……」なんて説明をすることがある。それは、検査の時の相手の反応も観察できるから。点数だけを判断の材料としていないから。このツイートに対して、こういったリプライがありました。
— psykoma (@psykoma) November 10, 2013
(ただ、この手の宛先が複数アカウントのリプライ。私の場合、非公式RTと同等の認識なので、通常は、ほとんど反応しません。あしからず)
@psykoma @Dr_kenta すごい昔、認知症患者さんに音楽療法を試行した看護界の大御所先生が、明らかに表情が変わって(出てきて)るのに、評価尺度では、「変化なし」となりこの表情の変化では医師の皆様は納得してくれないんです…と悔しそうに仰っていたことを思い出しますさてと、私としては、「評価尺度では「変化なし」」となった状況は、なんとなく理解できます。
— まややともも (@mayayatomomo) November 10, 2013
評価尺度に「表情の評価」の項目が無ければ、その尺度での評価が変わらないのは当たり前。
もちろん、患者さんの表情が変わってきたこと、看護の人が変化したように認識していることも、否定しません。
どんな評価尺度を使っているかによりますけどね。
音楽療法による評価をするのであれば、その効果がわかりやすくて、なおかつ、客観的な評価に耐えられる評価尺度を使って話をしなければいけないだけの話。
私の最初のツイートの例。
家族には、「アルツハイマーを考える可能性があるかも……」と説明しますが、家族から「アルツハイマー型認知症と診断書を書いてください」と依頼があれば、「現時点では、診断基準上は認知症とはいえないので、そういった書類は書けません」と説明します。
それは、それ。これは、これ。
客観的な評価と、臨床経験に基づく主観的な印象。そのバランスを取りながら、誰に対しても納得しやすいところに落とし所をつける。
それが、大切だと思っています。